青山学院大学
IELTS対策講座で学生の英語力を伸ばし、
留学希望者の挑戦を支援したい
青山学院大学 相模原事務局 学生支援ユニット
国際交流グループ課長 入学広報アドバイザー
神戸 勉 氏
海外留学へのチャンスを拡充するため「IELTS集中対策講座」を開講
本学では現在、協定校への派遣交換留学をはじめとした長期(1年間)の留学、夏期・春期休暇中に開催される短期の海外語学・文化研修、国際ボランティアや海外でのインターンシップなど、すべて合わせると年間800名ほどの学生が海外経験を積んでいます。近年、若者の内向き志向が叫ばれていますが、本学の学生にはそのような傾向はなく、海外留学への意識の高さが感じられます。ただ、留学にあたっての具体的なサポートや精神的な後押しを必要としている学生が多いことも事実です。学生が安心して留学できるような体制を整え、支援することが、私たちの役目だと考えています。
留学支援の取り組みの一環として、2012年の秋に「IELTS集中対策講座」を開講しました。これまでは、留学の出願資格となる語学能力試験の受験やその対策は学生個人に任せていました。しかし、特にIELTSについては、どのような試験か知りたい、どのように対策を立てればよいかわからない、という声が学生から上がっていたため、試験対策の支援を行うことになったのです。学生の英語力を上げて海外留学へのチャンスを拡充するためにも、有効な施策だと考えました。今回の講座は、日本英語検定協会のスタッフならびにブリティッシュ・カウンシルのネイティブ講師が受け持ち、IELTSの概要説明から学習法、各パートの具体的な対策まで、全5回にわたって行いました。参加した学生へのアンケートからは、非常に満足度が高かったことが読み取れます。
スムーズに受け入れることができ、短期間で結果が出しやすいIELTS
IELTSはペーパーベースの試験であり、コンピューターで受験する試験と比べると慣れているため、学生にとってはスムーズに受け入れることができるものだと思います。帰国後の就職活動のことを考えて、2年次に留学を希望する学生が多く、そのためには1年次の9月に出願しなければなりません。入学後半年以内に留学出願資格の規定スコアを取得する必要があるのです。短い準備期間で結果を出すには、受け入れやすいIELTSが最適だと思います。また、出願基準を満たしやすいというメリットもあります。他の試験では点数が細かく設定されているため、IELTSよりも出願基準が厳しくなってしまうことがあるのです。一方、IELTSでバンドスコア6.5を取得すれば、ほとんどの協定校に出願することができます。留学先の選択肢を広げるためにも、IELTSは有利だと思います。
IELTS対策を正規の授業に組み込み、より多くの学生の受験をサポート
「IELTS集中対策講座」が学生に大変好評で、今後も同様の講座を開講してほしいという声が多かったので、2013年度からは正規の授業に取り入れることになりました。1年生を対象に海外留学に関する授業を開講し、IELTSの対策を行う予定です。さらに、8月にはIELTSの学内実施も予定しています。前期でIELTSに向けて学び、8月にIELTSを受験し、9月には協定校留学に出願する、という流れを想定したうえでの計画です。また、秋学期には国際交流センターでもIELTS対策講座を開講することを予定しています。こちらは2年生以上でも受講できるようにし、より多くの学生のIELTS受験対策をサポートしていきたいと考えています。
現在、協定校への派遣交換留学制度を利用して、約80名の学生が留学しています。出願状況を見ると、高い英語力を求められる協定校では定員割れが目立ち、比較的低いスコアで出願できる大学に希望者が集中しています。今後は、学生の英語力を向上させ、現状の80名を100名に増やすことが、私たちの目標です。また、学業上の制約や経済的理由により長期留学が難しい学生にも機会を提供するため、短期留学プログラムの拡充にも力を入れていく方針です。とくに、アジア諸国への留学プログラムやテーマを特化したプログラムなどを増やしていきたいと考えています。これらの取り組みをとおして、今後も留学を希望する学生を全力で支援していきたいと思います。