名古屋大学

短期留学、IELTS 受験を経て、
長期の交換留学を目指す

名古屋大学
国際教育交流センター 海外留学部門
岩城 奈巳 教授(写真左)
星野 晶成 特任講師(写真右)

名古屋大学からNagoya University へ

名古屋大学では、濱口道成総長が2009年の総長就任時に掲げた「名古屋大学からNagoya Universityへ」のスローガンの下、大学の国際化を進めてきました。2011年からは、すべての授業を英語で提供する「国際プログラム群」を開始するなど、グローバルスタンダードに対応できる教育システムの整備に努めています。

名古屋大学を世界に開かれた多文化共生の学びの場とすると同時に、本学の学生に海外での学びや研究の機会を提供することにも注力してきました。国際教育交流センターの海外留学部門では、主に短期留学と交換留学の送り出しを担っています。現在、交換留学の提携校は100校以上あり、短期留学を含めると年間100名以上の学生が海外経験を積んでいます。特に短期留学については、ここ5年間でプログラムを拡充し、参加者も大幅に増加しました。

交換留学への道筋を作る

学生を見ていて感じるのが、海外留学に興味はあっても、就職時期や語学力といったハードルを感じて思いとどまってしまう人が多いということです。学生たちは、決して「内向き」ではありません。環境を整えてやりさえすれば、自ら海外に飛び出せる、潜在能力のある人材なのです。

学生の海外留学を促進するため、海外留学部門では、短期留学を「お試し留学」と位置づけ、まずは短期留学に参加して海外経験や留学への意欲づけをし、半年間ないし1年間の交換留学に結びつける、という道筋を描いています。短期留学は春と夏の年2回実施し、それぞれ4週間ほどの、語学研修を中心としたプログラムです。留学先は、アジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなどさまざまです。2013年度は、短期留学参加者の約半数が交換留学への参加を希望し、短期留学から交換留学へという流れが浸透しつつあります。

「IELTS 夏期集中留学準備講座」を開講

交換留学への次の関門となるのが、語学力です。学生の語学力向上を支援するため、2013年度には、日本英語検定協会の協力を得て、8日間の「IELTS夏期集中留学準備講座」を開講しました。費用は、全額大学の負担です。講座では、スピーキングやライティングを中心としたIELTSの受験対策はもちろん、留学プランニングについてのワークショップや海外の大学の模擬授業なども盛り込み、学生の留学への意欲を高める内容にしました。そして、履修には、「事前・事後にIELTSを必ず受験し、スコアを提出すること」、「交換留学に必ず申し込むこと」などの条件を課し、交換留学を本気で目指す学生のみが集まるように意図しました。

受講生の満足度は高く、その多くが、目標とするIELTSのスコアを取得し、希望する提携校に応募することができました。また、ペーパーテストや対人面接で受験しやすい、対策講座が無料で受講できる、学内で団体受験できるなど、IELTS受験のメリットを感じた学生が多かったようで、2013年度はIELTSの受験者数が大幅に増えました。今後もこのような対策講座を継続して開催し、一人でも多くの留学希望者が夢をかなえられるよう、より一層のサポートをしていきたいと考えています。

プロフィール

名古屋大学

1871年に設けられた名古屋藩種痘所を原点とし、1939年に医学部と理工学部からなる名古屋帝国大学として創設。現在は9学部、14研究科、3附置研究所を擁する総合大学である。なお、文部科学省の平成25年度「博士課程教育リーディングプログラム」に採択された2つの大学院でも、IELTSの団体受験を行っている。