獨協大学(2015年)
IELTS導入によって留学の選択肢と可能性が広がった
獨協大学
国際交流センター 所長
矢羽々 崇 外国語学部教授
国際交流センター
山中 一 課長補佐
二宮 健一 様
まず日本語でグローバル化を語れる学生を育てる
本学は伝統的に外国語教育を重視していることから、海外に目を向けて積極的に外に出ようとする学生が多い傾向にあります。学術交流協定校は世界14カ国44大学に広がり、短期留学から長期留学、ワーキングホリデーやボランティア、インターンシップまで、毎年一定数の学生が参加しています。なかでも、交換留学と認定留学を合わせた長期留学生は年間100名ほどおり、英国のマンチェスター大学をはじめとする英語圏の大学への留学生は多くいます。
近年は留学を必須とする学部を設ける大学もありますが、本学では学生の自発的な意欲による留学を後押しすることが大切と考え、留学を必須とはしていません。留学するにあたっては、留学先で学ぶための素地を留学前に本学でしっかりとつくったうえで送り出したいと考えています。そのため、単に英語力を高めればよいのではなく、まず日本語でグローバル化についてしっかりと考え、発信できる力を持った学生を育てることを大切にしています。
2014年度からIELTS団体受験と説明会を開始
本学の留学の特長は3つあります。1つ目は留学中の授業料の全額免除、2つ目は修得単位の卒業要件認定、3つ目は国際奨学金と留学に備えた語学研修費補助??です。留学を希望する学生が、精神的にも経済的にも安心して臨める体制を整えています。
そして、国際交流センターが窓口となり、毎年4月には「海外留学ガイダンス」を開催。留学の目的を早い段階から明確化し、留学への意識付けを行います。2014年度からは9月と2月にIELTSの団体受験を実施し、それに先立つ6月と10月に「IELTS説明会」を開催しました。学内ではまだIELTSの認知度が低いこともあり、まずは「IELTSとは何か」から説明し、世界基準の試験であることや英国の留学希望者には必須であること、北米でもIELTSが認定されていることなどを紹介しました。そして、交換留学の条件であるIELTSバンドスコア6.0~7.0、認定留学の条件であるIELTS5.0以上を目指し、試験問題の例題を示したり、スピーキングテストの応答の様子を映像で見せたりするなどしたことで、学生も受験の心構えができ、学習意欲が向上したようです。2015年度も説明会を継続し、試験実施も交換留学申請の時期を見据えて日程を組んでいきたいと考えております。
IELTSを導入したことで、学生にとっては留学の選択肢や可能性が広がりました。試験形式には個々の得手不得手があるため、他の検定試験で結果が出ない学生でも、IELTSには向いており、必要なスコアに到達できることがあります。また、学内で実施することによって、学生も学び慣れた環境で、留学という同じ目標を持つ仲間と励まし合いながら、リラックスして受験できます。
しなやかに逞しく世界と交流できる教養人に
本学が目指すのは「しなやかに逞しく世界と交流できる教養人の育成」です。「しなやかさ」とは、異質な文化や考え方を寛容にそして、柔軟に受け止める力であり、他者を助ける用意がある心の広さです。「逞しさ」とは、様々な背景を持つ人々と物怖じせずに付き合うことができ、自らの主張を積極的に発信したり、行動に変えたりすることのできる力です。これらをバランス良く併せ持った学生を本学での学びと留学を通じて育てたいと考えています。
プロフィール
獨協大学
近代日本の「哲学の父」とされる西周・初代校長のもと1883(明治16)年に設立された獨逸學協会学校を母体とし、1964(昭和39)年に天野貞祐が開学した獨協大学。 建学の精神である、「大学は学問を通じての人間形成の場である」に基づき、外国語教育を重視し、複雑な情勢に対処できる実践的な独立した人格を育成、国内外で活躍できる人材を輩出してきた。
獨協大学
住所 :〒340 -0042 埼玉県草加市学園町1-1