中央大学(2017年)

身につけてほしいのは
グローバル社会を生き抜く幅広い視野、
“World View”

国際センター副所長
スティーブン ヘッセ 法学部 教授

入学から留学まで、IELTSが「選択肢」を広げる

中央大学は、2012年度にグローバル人材育成推進事業に採択され、1カ月の短期留学から、海外の協定校での長期交換留学、海外でのフィールドワーク、インターンシップまで、多彩な海外派遣プログラムを展開しています。2010年時点で約100校であった海外協定校は、現在は約180校に増加。そのおよそ4分の1は、ドイツやフランス、イタリア、韓国など、「英語圏」ではありませんが、世界中から集結する留学生同士の会話は英語を中心に行われるため、海外留学を経験したほぼすべての学生が、世界共通言語としての英語の重要性を実感して帰国しています。
近年顕著なのは、留学の要件としてIELTSスコアを設定する協定校の増加です。特にアメリカとイギリスを中心に増加傾向にあります。面接官との対面方式で回答するIELTSのスピーキングテストは、日本人が取り組みやすい方式だと感じています。他の検定試験のスコアで伸び悩んだ学生が、IELTSとは相性がよく、留学に必要な基準をクリアできるケースもあり、学生にとって留学先の選択肢が増えているのです。
「選択肢」という点では、今年度より導入されたIELTSなどの英語外部検定試験のスコアを活用する新しい入学試験制度で600名をこえる志願者があり、注目を集めています。入学後の英語学習においても、IELTSは政治・経済などの時事的なトピックや、人権問題などの普遍的なトピックと絡めた英語学習が可能であり大きな魅力です。2015年度からは、留学対策講座として「IELTS対策講座」がスタートし、これまでに200名以上の学生が受講しています。教材は、ブリティッシュ・カウンシル等が監修したものを使用し、数カ月でスコアが5.5から7.0まで上昇した例もあるほどです。

異文化環境へ果敢に飛び込み
多様な価値観に触れてほしい

中央大学では、学部ごとにグローバル人材育成に向けた独自の取り組みを進めていますが、IELTSに関しては、国際センターが一元的に情報の周知に努めています。1年次に実施する留学ガイダンスを出発点として、まずは目的意識を持たせることに重きを置きながら、2017年11月にはIELTSの団体受験も開始する予定です。
また、本学の中長期事業計画「Chuo Vision 2025」では、年間2,200名の学生を海外に派遣するという目標を掲げています。日本は島国だからこそ、国内の政治・経済などに影響を与えている外国を自分の目で見ると同時に、外から客観的に日本を見ることが大切だからです。若いうちにこそ海外で多様な価値観に触れ、幅広い視野、グローバル社会に欠かせない“World View”を身につけた上で、さらなる成長のためのロードマップを描いてほしいのです。
本学には、たとえば弁護士として国内で活躍したいと考える学生が多く在籍しています。そんな学生にも、私は迷うことなく海外留学をすすめています。留学は司法試験対策には関係なくても、異文化社会で自分の考えや夢を語る経験自体が、自己の再発見とともに自信につながり、次へのモチベーションにつながります。
海外経験の意義は、決して日本人だけに当てはまるわけではありません。多様な文化的背景を持つ人々が交流し協力するグローバル社会においては、誰もが広い視野の“World View”を身につけるべきであり、そのためのひとつの手段である留学に向けて、IELTSを存分に活用すべきだと考えています。

プロフィール

中央大学

1885年に18人の法律家たちによって「英吉利法律学校」として創設され、現在は6学部・大学院8研究科・専門職大学院3研究科を擁する総合大学。2015年に策定された中長期事業計画に基づき、世界に存在感のあるChuo Universityとなるべく、「グローバル・プロフェッショナル」の育成をはじめとするグローバル戦略を展開。年間2,200名の海外派遣、同1,000名の外国人留学生受け入れ、外国人教員比率の10%への引き上げなどを進めている。
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