山口大学(2017年)

IELTSは課題解決に役立つ
汎用的な“スタディスキル”も高めてくれる

(左から)
国際総合科学部 レール マルク 教授

国際総合科学部 藤原 まみ 准教授

学生同士の活発な情報交換が
IELTSに対する意識高揚を支えている

2015年度に新設した国際総合科学部は、1年生の夏の1カ月間のフィリピン短期語学研修と、2年生秋からの1年間の海外留学を、原則として全学生参加のプログラムとしています。入学からの限られた期間で英語力を留学レベルまで高めることが求められ、その手段としてのIELTSの有効性は、教職員間の共通認識となっています。
学部では、「IELTS STUDY (I・II・III)」を1年次の選択科目として開講するなど、万全な試験対策を実施しています。さらに、日頃通い慣れたキャンパス内で、余裕をもってIELTS受験に臨めるように、学部が開設された2015年度から団体受験を導入し、学生の精神的・経済的負担の軽減を図っています。
また、学生自身も英語圏のみならず、台湾、インドネシア、フランス、リトアニアなど、20か国以上の国・地域にある希望留学先大学が受入条件としているIELTSスコアを目標に、英語学習に励んでおり、IELTS対策への意識の高まりを感じます。背景にあるのは、学生間の活発な情報交換です。それによってIELTSの重要性が理解され、学生からのボトムアップによって、IELTSを中心とする教育環境が整備されてきている側面もあります。
団体受験の受験者数は20名(2015年度)から70名(2016年度)へと大幅に増加し(1学年の定員100名)、2016年度の団体受験結果では、受験者の3分の1以上が英検準1級レベルのIELTS5.5以上を獲得しました。

生活シーンからアカデミックシーンまで
網羅的な英語学習が可能

英語力向上と留学準備を短期間で進めるにあたり、IELTSの特徴を最大限に活用し、留学先、3・4年時以降の専門的な勉強、そして、将来のキャリアにおいても役に立つ、論理的な思考力を涵養することを目指しています。IELTS で習得する「使える英語」力とは、正しい発音で流暢に話す力だけにとどまらず、情報を迅速且つ正確に把握したうえで、自身の意見をまとめ、それを論理的に伝える力ではないでしょうか。たとえば、IELTSのリーディングやリスニングでは、正確で素早い情報把握力を鍛え、リスニングのセクション4では、英語の講義を聞いてノートにまとめる能力を養成し、ライティングやスピーキングのパート3では、収集した情報を元に自身の意見を表現する力を磨くことができます。IELTS対策を通じて習得し得るこれらの能力は、他の言語の習得や専門的な学問に臨む際にはもちろん、将来のキャリアにおいても応用がきく能力だと思います。IELTSのスコアアップに向けた勉強が、留学先での様々な生活の場面からアカデミックな分野にまで活かされ、それが将来を見据えたキャリア形成にもつながっていくのです。

国境を越えたソリューションをデザインする

国際総合科学部の特徴は、「デザイン」を通じた文理融合型の課題解決型学部であるということ。ここでいう「デザイン」とは、モノの造形や色といった可視的なものだけではなく、価値や考え方など、さまざまな“NEW”を創造・デザインするプロセスを課題解決に活かそうとする視点です。環境問題をはじめとして、多くの課題がボーダーレスかつグローバルに地球上に横たわっている以上、文系や理系、国や民族といった垣根は取り払うべきであり、コミュニケーションツールとしての英語が必須になります。私たちのミッションは、広く世界を見渡し、課題解決に力を発揮することのできるエキスパートをアサインするなど、必要な策を講じていくための「コーディネーター」の育成です。学際的・横断的に課題解決に立ち向かうという「デザイン」の特徴は、汎用的なスタディ・スキルの習得、つまり、ある習得した能力を多様な生や学びに活かし、つなげることができる能力の育成、という意図の元に実施しているIELTSを用いた英語学習と通底する部分があり、IELTSへの取り組みによる効果に大きな期待を持っています。

プロフィール

山口大学

1815年に長州藩士“上田鳳陽”が創設した私塾「山口講堂」を起源とし、1949年に山口大学として創設。9学部・8研究科で構成され、2015年には創基200周年を迎えた。山口大学国際化推進宣言として「維新の山口から世界の山口へ」をキャッチフレーズとして掲げ、2016年5月1日時点でアジアから欧米まで、22カ国・地域83大学・機関と学術交流協定を締結しているほか、学部レベルでも23カ国・地域49大学・機関の学術交流協定を締結している。
山口大学 吉田キャンパス
住所 〒753-8511 山口県山口市吉田1677-1