神奈川県立 横浜国際高等学校
海外の大学進学を目指す生徒には特にIELTSを受験し、スコアを携える機会を設けたい
校長 桜田京子先生 (写真右)
IB研究 外国語科(英語)教諭 西智子先生 (写真左)
英語力を伸ばす必要があるIBコースで2020年よりIELTS校内団体受験を導入
神奈川県立横浜国際高等学校は、国際科と国際科国際バカロレア(IB)コース(以下、IBコース)をもつ全日制単位制専門学科の高校です。教育目標は「世界市民として自立し、将来、日本社会や国際社会におけるリーダーとして活躍する人材となるような生徒を育成する」としており、高度な英語教育や第2外国語の学習が特徴になっています。新入生には毎年「あなた方は英語や外国語を、その背景にある文化を含めて学べる環境に入学しました。ですから、自信を持って『私は外国語が得意です』と言えるようになってください」と伝えています。国際科ではまさに英語・第2外国語の習得をメインとした多彩な選択科目を組んでおり、高校の普通科で学ぶ英語よりレベルの高い「総合英語」が必修で、語学に特化した教育となっています。そして、2019年度からスタートしたIBコースは日本の高校卒業資格に加え、世界で使える大学入学資格( IBディプロマ)の取得を目指すため、特に英語力を高める必要があります。そのような教育を行う中で、IBコースの2年生全員にIELTSを受験させることを決め、2020年10月に学内実施をしました。
IELTSのスコアは海外の大学進学の進路指導にも大いに役立っている
実は2年前、IBコースを設置した時点から「生徒に今後の進路選択に使えるスコアが出る民間英語試験を受けさせてあげたい」という思いが教員にありました。そこで、いくつかの試験を調べた上でIELTSを選定しています。選んだ理由としては、IBコースには海外の大学への進学を目指している生徒が多いので、海外の多くの大学で通用するIELTSにトライしておいてほしかったためです。また、世界同時に行われている民間英語試験ということで、IBディプロマの最終試験のシチュエーションに似ていることもあり、「IB最終試験の模擬試験として役立つかもしれない」と感じたことも、導入の理由の一つです。さらに、IELTSは人と対面形式のスピーキングテストがあり、授業の中で多くの対話をしているIBコースの生徒に適している試験と感じていました。教員サイドとしては、本校を会場に開催してもらえる点が非常にありがたかったですし、生徒たちも受験しやすいと喜んでいました。今後も年1回、2年生全員にIELTSを受験させ、自分の英語4技能がどのぐらいのレベルなのかを客観的に知ってもらおうと考えています。実際、IELTSのスコアは進路指導でも活用しており、「生徒が志望する大学の募集要件に達しているか、あとどれぐらいで達するのか」という指標にも使え、進学に向けたスケジュール設定にも役立っています。志望校の求めるIELTSのスコアが足りない生徒は、3年次にも受験してスコアを伸ばしていくと思いますので、3年生の受験希望者も校内の団体受験に参加できるように、これから考えていきたいです。
国際的にも、リーダーとして活躍できる人材を
IELTSの対面スピーキングテストが決め手になっているのか、国際科ではIELTSを個人受験している生徒も多くいます。国際科にも海外の大学進学を視野に入れている生徒がいますので、団体受験の際、国際科の受験希望者にも参加できるよう運用面の土台を作りたいと思っています。卒業生が進学した大学から「横浜国際高校出身者はゼミやさまざまな活動で中心的な存在になって、周りのメンバーを引っぱっている」とよく言われます。今後も、本校の卒業生がいろいろな場面でリーダー的存在として活躍できるよう、グローバルにコミュニケーションが可能な語学力を身につけ、国際的にもリーダー的な役割を担える人材になるように育てていきたいと考えています。
●●●●●●●●●Profile●●●●●●●●●
神奈川県立 横浜国際高等学校
〒232 - 0066 横浜市南区六ツ川1- 731
2008年度に県内唯一の単位制「国際情報科」の専門学科の高校として創立。2017年度「国際科」への学科改編、2019年度には国際バカロレア(IB)コースを設置。加えて、英語及び6言語(スペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語、ハングル、アラビア語)を学べる環境の下、グローバルリーダーの素養を生徒に身につけさせる教育活動を展開。