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公益財団法人 日本英語検定協会(以下、「英検協会」)は、50年余にわたり「日本人の実用英語の習得および普及・向上」を使命に、実用英語技能検定(以下、「英検®」)をはじめとする各種検定試験の実施運営等を行ってまいりました。最近では大学や高校入試に活用され、それに伴い受験者はこれまでの英語学習者に加えて、大学や高校入試の受験生もその対象となっています。
こうした背景もあり、英検協会では、このたび、これまでの膨大なる受験者データと長きにわたり培った英語能力の測定に関する知見から、目的に応じて求められる英検®の品質についての考え方と、その活用に関するガイドライン(以下、「ガイドライン」)をまとめました。
以下に示す「ガイドライン」は、2020年の大学入試改革を見据えた英検協会の考えを示す指針です。
上図のとおり、(A)はセンター試験(大学入試英語成績提供システム)で求められる品質、(B)は入試全般にも対応しうる検定試験で求められる品質、(C)は模擬試験で求められる品質であり、自治体や学校での能力判定のみならず、今後はAO入試、推薦入試、一般的な調査書(内申書)の根拠などに活用が期待されるものです。各種試験を活用される学校や学習者の皆様におかれましては、使用される目的に適した試験を選択されることをお勧めいたします
なお以下に示す表はすべて英検ウェブサイトを出典としております。
2020年度より運用が開始される「大学入試英語成績提供システム」で使用される資格・検定試験では、スコアや合否判定等に加えてCEFR判定が各大学に提供されます。よってCEFR判定は厳密におこなう必要があります。
そもそも各種試験には測定誤差が小さく高い精度で能力を特定できるスコア上の範囲が存在します。英検協会では、厳密にCEFRの判定をおこなうべく、英検®各級のCSEスコア上の範囲の中でどの部分が特に精度の高い範囲かを導き出し、そのスコア上の範囲を、英検®各級のCEFR算出範囲としました。上図でいう各級の色を付している範囲です。
以上、センター試験(大学入試英語成績提供システム)におきましては、各級それぞれ色を付した範囲の英検CSEスコアに対応するCEFRを付与いたします。
なお上表の見方につきましては、末尾に例示とともに記載しておりますのでご参照願います。
CEFR とは、Common European Framework of Reference for Languages の略。
語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格。欧米で幅広く導入され、6つのレベルが設定されています
資格・検定試験として活用されるテストは各受検者の合否を高い精度で判定することが求められます。2016年度より、英検®に従来の合否判定に加えて「英検CSEスコア」の提供を開始しました。「英検CSEスコア」は、級別にそれぞれ技能別の満点を設定しスコアを表示します。
つまり自分の成績が合格ラインからどのくらい上回っているのか(あるいは下回っているのか)、受験者は、定量的に現時点での能力把握ができるようになりました。それにより、自分がこれからどんな能力を備えればよいか、また学習の重点をどこに置けばよいか等、明確となりました。
また「英検CSEスコア」は、受験者にとりまして上位級受験の目安にもなります。
例えばある受験者が英検®2級を受験し4技能の合計スコアが2,500点としましょう。上図で示すとおり2,500点というのは、準1級の合格ラインである2,304点を超え、この受験者は、準1級に合格できる能力が備わっているというのが分かります。このように現状の能力と受験の上位級のスコア差異から現状の能力把握の目安としてもご活用いただけます。これは下位級についても然りです。
一般的に模擬試験は、幅広い能力の受験者層の英語力とその伸長度を、短時間かつ効率的に測定し、受験者個々の学習目標の到達の度合いや英語力の伸長度を明確に示すことが求められます。英検協会のテスト例としては、英検IBAが挙げられます。
英検IBAでは、膨大な過去の検定試験のデータ蓄積を再利用し、スコア(級)判定測定レベルの品質を確保している。これにより英検IBAの受験者は、現在どの英検®級相当の英語力があるかを目安として知ることができ、今後、英検®受験をする際の参考とすることができます。現在、多くの自治体(県単位・政令指定都市単位・市町村単位)や学校(小・中・高・大)で団体全員の能力判定を目的に活用されていますが、今後は私立の中学校~大学のAO入試、推薦入試、一般的な調査書(内申書)の根拠などに今後活用が期待されます。
以上が、英検協会が考えます、「各種目的に応じて求められる英検®の品質に関する考え方とその活用に関するガイドライン」です。
英検協会では、今後とも社会的責務と受験者の皆様の信頼に最大限お応えすべく、高品質の試験提供を追求してまいります。