ライティングテストの採点に関する観点
および注意点(3級)

2017年度第1回から、3級にライティングテストが導入されます。これに伴い、語句整序問題が削除されます。また、筆記試験の時間を40分から10分延長し、50分とします。

なお、一次試験における測定技能が2技能から3技能に増えるため、一次試験のCSEスコアの満点が1650になり、一次試験の合格スコアは1103に変更されます。二次試験の合格スコアは353のままです。

ライティングの採点方法

解答は4つの観点で採点されます。観点ごとに0~4点の5段階で評価され、得点の満点は16点となります(CSEスコアの満点は550)。

各観点について

観点1:内容
課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
アドバイス

自分の考えとその理由2つを明確に書きましょう。理由には説明を加えてより説得力があるものにしましょう。例えば理由を書く際に、単純に「好きだから」や「楽しいから」だけでなく、どんな点で好きなのか、また楽しいことの具体的な例や説明なども書きましょう。なお、QUESTIONでは「自分の考えとその理由2つ」を述べるように求めていますので、考えは1つに絞って書き、逆の考えを支持する理由などは書かないようにしましょう。

観点2:構成
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
アドバイス

伝えたい情報の流れや展開を示す表現(接続詞など)を効果的に使って、自分の考えとその理由や英文全体の構成をより分かりやすくするようにしましょう。自分の考えや理由と関係のない情報を書くことで、英文の流れが分かりにくくなることもあるので気を付けましょう。

観点3:語彙
課題に相応しい語彙を正しく使えているか
アドバイス

正しい綴りや意味で使われているかを意識しながら、自分の考えとその理由を十分伝えられるようにしましょう。なお、英語以外の言葉を使う場合は、その言語を知らない人でも理解できるように、説明を添えましょう。

観点4:文法
文法的に正しい英文が書けているかどうか
アドバイス

文法的に正しい英文を使用して、自分の考えとその理由をより効果的に伝えられるようにしましょう。

解答作成時の注意点

Writing解答用紙は機械的に処理を行います。正しく採点されるためにも以下の注意点をよく読んだうえで、試験に臨んでください。

  • 文字は、はっきりと分かりやすく、濃く、書いてください。
  • 数字の1と小文字のl(エル)、数字の2とZ(ゼット)など似ている文字は、判別できるよう書いてください。
  • 消しゴムで消す場合は、消しくず、消し残しがないようしっかりと消してください。
解答例1:QUESTIONに答えていない、またはQUESTIONとは全く関係のない内容が含まれている

解答内容がQUESTIONに答えていないと判断された場合は、すべての観点で0点と採点されることがあります。また解答の中にQUESTIONとは全く関係のない内容が含まれている場合には、減点の対象となります。

解答例1:QUESTIONに答えていない、またはQUESTIONとは全く関係のない内容が含まれている
解説

このQUESTIONでは、「一番好きな季節」について自分の考えと理由を述べることが求められています。しかし解答例ではその点にはまったく触れられておらず、自分の趣味(映画)の話しかしていません。そのためQUESTIONに答えていないと判断され、すべての観点で0点となります。

解答例2:自分の考えと矛盾する理由や説明がある

自分が述べた考えに矛盾する内容の理由や説明を書かないようにしましょう。「どれがよいですか(好きですか)」のようなQUESTIONの場合には必ず自分の考えを1つに絞り、それに対する理由を2つ書きましょう。

解答例2:自分の考えと矛盾する理由や説明がある
解説

「私の大好きな季節は冬です」という自分の考えに加えて、「冬休みがあるから」という理由を述べていますが、その後に「寒い気候は好きではない」と、最初の考えとは異なった内容の理由が述べられています。そのような内容は自分の考えを支える理由として判断できないため、減点の対象となります。

  • QUESTIONが「AとBのどちらがよいですか(好きですか)」のような場合(例:Which season do you like better, summer or winter?)にも、必ずどちらか1つを選び、A (summer)を選んだらA(summer)の方がよいと思う理由や説明だけを書きましょう。AとB、それぞれに対する理由を1つずつ書いても、「理由2つ」としてみなされませんので注意してください。
解答例3:英語以外の言葉を使っている

どうしても英語以外の言葉を使う必要がある場合は、その言語を理解できない人にも分かるように説明を加えましょう。

解答例3:英語以外の言葉を使っている
解説

omatsuri(お祭り)と hanabi(花火)という日本語の単語が使われていますが、その前後に説明がなく、日本語が分からない人には理解できないため、その部分は減点の対象となります。しかしsuikawari(スイカ割り)は、その後に説明(Suikawari is a Japanese game. We wear an eye mask and hit a watermelon on the beach.)があり、日本語が分からない人にも理解できる内容になっているので、減点の対象にはなりません。

解答例4:解答が極端に短い、または理由が2つ書かれていない

3級のライティングテストでは、「自分の考えとその理由2つ」を書くことが課題となっており、語数の目安は25語~35語とされています。解答が極端に短い場合や理由が1つしか書かれていない場合は、減点の対象となります。

解答例4:解答が極端に短い、または理由が2つ書かれていない
解説

「春は楽しい」だけでは「なぜ楽しいのか」「どのように楽しいのか」が分からないので、具体的な説明を書きましょう。また解答が極端に短く(6語)、英文の流れが分かりにくくなっています。適切な理由が2つ書かれていないと判断され、減点の対象となります。

解答例5:理由らしき内容や説明は書かれているが、自分の考えがはっきりと書かれていない

理由と思われるような内容や具体的な説明が書かれていても、自分の考えがはっきりと書かれていない場合には、減点の対象となります。

解答例5:理由らしき内容や説明は書かれているが、自分の考えがはっきりと書かれていない
解説

「夏に泳ぎに行く」「友達と海岸に行く」という内容はありますが、「夏が好き」など、好きな季節についての自分の考えがはっきりと書かれていません。このように、理由らしき内容や具体的な説明が書かれていても自分の考えがはっきり述べられていない場合は、減点の対象となります。

解答例6:理由や説明、補足は書かれているが、接続詞などを使って全体の構成が分かりやすく書かれていない

理由を書く際は、具体的な例や説明がないと減点の対象になります。また、伝えたい情報の流れを示す表現(接続詞など)を使用しないと、英文全体の構成が分かりにくく、減点の対象になります。

解答例6:理由や説明、補足は書かれているが、接続詞などを使って全体の構成が分かりやすく書かれていない
解説

「夏休みは長い」「たくさんのことができる」といった理由に加えて、「海に行く」「おばあちゃんに会いに北海道へ行く」のような理由を補足する具体的な例や説明が加えられていますが、becauseやso、for example、alsoなどの接続詞がないため、英文全体の構成がわかりにくくなっています。例えば、I like summer because the summer vacation is long.のようにbecauseを使うと、考えと理由の関係が明確になります。またFor example, I go to the beach. とすると、具体的な例であることがわかりやすくなります。