ライティングテストの採点に関する観点
および注意点(準2級)

2017年度第1回から、準2級にライティングテストが導入されます。これに伴い、語句整序問題が削除されます。また、筆記試験の時間を65分から10分延長し、75分とします。

なお、一次試験における測定技能が2技能から3技能に増えるため、一次試験CSEスコアの満点が1800になり、一次試験の合格スコアは1322に変更されます。二次試験の合格スコアは406のままです。

採点方法

解答は4つの観点で採点されます。観点ごとに0~4点の5段階で評価され、得点の満点は16点となります(CSEスコアの満点は600)。

各観点について

観点1:内容
課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
アドバイス

自分の意見と合わせて、その理由を明確にしましょう。その際に、多様な観点から考えて、意見を支える論拠や説明がより説得力のあるものになるようにしましょう。例えば、理由を書く際に、単純に「安いから」や「便利だから」だけでなく、安くなることがどういうことにつながるのか、また便利になることの具体的な例なども書きましょう。なお、QUESTIONでは「意見とその理由2つ」を述べるように求めていますので、意見は1つに絞って書いて論理を深めるようにし、逆の意見を支持する理由などは書かないようにしましょう。

観点2:構成
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
アドバイス

伝えたい情報の流れや展開を示す表現(接続詞など)を効果的に使って、自分の意見とその理由や英文全体の構成をより分かりやすくするようにしましょう。意見や理由と関係のない情報を書くことで、英文の流れが分かりにくくなることもあるので気を付けましょう。

観点3:語彙
課題に相応しい語彙を正しく使えているか
アドバイス

正しい綴りや意味で使われているかを意識しながら、自分の意見とその理由を十分伝えられるようにしましょう。なお、英語以外の言葉を使う場合は、その言語を知らない人でも理解できるように、説明を添えましょう。

観点4:文法
文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
アドバイス

同じような形の文の繰り返しにならないように、多様な文のパターンを適切に使用して、自分の意見とその理由をより効果的に伝えられるようにしましょう。また、文単位で書くことを意識し、So much fun.やBecause it is fun.のように不完全な文を書かないように気を付けましょう。

解答作成時の注意点

Writing解答用紙は機械的に処理を行います。正しく採点されるためにも以下の注意点をよく読んだうえで、試験に臨んでください。

  • 文字は、はっきりと分かりやすく、濃く、書いてください。
  • 数字の1と小文字のl(エル)、数字の2とZ(ゼット)など似ている文字は、判別できるよう書いてください。
  • 消しゴムで消す場合は、消しくず、消し残しがないようしっかりと消してください。
解答例1:QUESTIONに答えていない

QUESTIONの答えになっていない場合や、全く関係のない事柄について書かれていると判断された場合は、すべての観点で0点と採点されることがあります。

解答例1:QUESTIONに答えていない
解説

このQUESTIONでは、「生徒は部活動に参加するべきかどうか」について自分の意見と理由を述べることが求められています。しかしながら、解答例ではその点にはまったく触れられておらず、自分の学校にあるクラブや、自分が所属したかったクラブの話しかしていません。そのため、QUESTIONに示された問いに答えていないと判断され、すべての観点で0点となります。

解答例2:意見と矛盾する理由や説明がある

自分が述べた意見に矛盾する内容の理由や説明を書かないようにしましょう。(QUESTIONに対して"Yes"と解答した場合は、"Yes"である理由や説明だけを書く)

解答例2:意見と矛盾する理由や説明がある
解説

最初に「生徒は部活動に参加するべきだと思う」と意見を述べ、「友達ができるから」などの理由を述べていますが、その後に、「部活動で忙しくなると勉強時間が減る」といった最初の意見に反する内容の理由が述べられています。2つ目の理由は意見を支える理由としてカウントできないため、減点の対象となります。

  • 「AとBのどちらがいいと思いますか」のようなQUESTIONの場合も、Aを選んだらAの方がいいと思う理由や説明だけを書き、Bを選んだ場合はBの方がいいと思う理由や説明だけを書くようにしましょう。
解答例3:英語ではない単語を使っている

どうしても英語以外の単語を使う必要がある場合は、その言語を理解できない人にも分かるように説明を加えましょう。

解答例3:英語ではない単語を使っている
解説

「sado(茶道)」という日本語の単語が使われていますが、その前後に説明がなく、日本語が分からいない人には理解できないため、減点対象となります。しかし「kyudo(弓道)」の場合はその後に説明(a traditional type of archery in Japan)があるため、日本語が分からない人にも理解できる内容になっているので減点の対象にはなりません。

解答例4:個人の経験のみ答えている

個人の身近な出来事や経験のみを使って理由や説明を書いた場合は説得力に欠けると判断され減点対象となることがあります。

解答例4:個人の経験のみ答えている
解説

このQUESTIONでは、生徒一般が部活動に参加すべきかどうか、という質問に対するあなたの意見とその理由を求めています。しかしこの答案では、「No, I don't.(部活動に参加すべきでない)」という意見を自分の経験や身近な出来事のみで説明しようとしています。例えば、「私は忙しい」「私は放課後にすることがたくさんある」などです。この場合、すべて「私は~」と個人の経験や立場のみで理由づけしているため説得力に欠けると判断されてしまい、減点対象となります。また、「私の友達は」や「私の家族は」と身近な人々の例だけで答えても同様に減点対象となることがあります。 個人の経験を用いて答えたい場合は、「理由」としてではなく「理由を補足する具体例」として付け加える程度にしましょう。例えば、"Students are busy with their schoolwork." などと生徒一般に通じるような内容を理由として書いてから、"For example, I have to study and go to English class. I do not have time to go to club activities."と具体例として個人の経験を付け足すようにしましょう。

解答例5:理由に対する説明や補足がない

理由を書く際は具体的な例や説明を付け加えてより説得力のあるものにしましょう。

解答例5:理由に対する説明や補足がない
解説

「友達ができる」や「新しいことが学べる」は意見を支える妥当な理由ではありますが、その説明や具体例が述べられていません。「例えば、放課後に他のクラスの人たちとも会うことができる」「例えば、美術部に入ったら絵の描き方を学ぶことができる」といった問いに答えるような説明や具体例を加えて、より説得力のある英文を書きましょう。

解答例6:関係の無い内容が含まれている

QUESTIONで聞かれている内容と関係の無いことや他の部分と矛盾することを書かないようにしましょう。

解答例6:関係の無い内容が含まれている
解説

部活動に参加すべきではないという意見とその理由と説明が示されていますが、下線部では、QUESTIONに示された問いに関係のない内容が書かれているため、論理に一貫性がないと判断され、【構成】の点で減点の対象となることがあります。