広佐古 華帆さん 筑波大学付属高等学校1年

1級合格

過去問題集が合格のカギに!
1級合格で広がる可能性。

「英語圏で生活していたからといって、4技能全てができるわけではない」と認識し、自分の弱点を克服して2度目の挑戦で1級に合格した広佐古華帆さん。中学2年生の時点で1級に合格し、それによって自信を得ることができ、積極的に交換留学などのチャンスをつかんでいると言います。そんな広佐古さんの英検対策についてお聞きしました。

受験などで活用されている英検に挑戦

私は父が海外赴任をしていたため、5歳までニュージーランドで過ごしました。おそらく幼少期は英語も話していたと思いますが、父の方針が「英語より、まずは日本語をきちんと覚える」ということでしたので、帰国後は英語を使わない生活になり、すっかり英語を忘れてしまいました。ですから小学4年生で、父の仕事に伴いオーストラリアのメルボルンに住むことになった時には、ゼロから英語を覚えるような感覚でした。最初は、小学校の先生が何を話しているか分からず、必要な持ち物を揃えられないなど、何度も失敗しては苦労をしましたが、約3年を過ごすうちに、英語を問題なく使える感覚を得られるようになりました。

帰国後、中学1年生になると「英語の資格を取っておけば、高校受験などでも優位になる」と考え、検定試験としてのレベルが高く、高校入試でも多く活用されている英検を受験することにしました。書店で英検の問題集を見て、「2級なら合格しそうだけれども、準1級には少し不安がある」という感触を得たので、まずは2級から挑戦してみました。検定試験を受験すること自体が初めてだったので、緊張感を持って臨んだことを覚えています。そして中学1年生の第3回検定で2級に、中学2年生の第1回検定で準1級に合格しました。第2回検定では1級を受験しましたが不合格となったため、できなかったところを重点的に勉強し、第3回検定では合格することができました。

私は英語が好きで、特にシーラの曲をよく聞いています。また、海外ドラマの『スクール・オブ・ロック』や『フレンズ』を観たり、洋書の『ハンガー・ゲーム』シリーズを読んだりするのが大好きです。このようにして普段は、歌やドラマ、読書を通して英語に触れています。

エッセイの練習で社会的知識も習得

英検2級の過去問題集では、使われている単語に少し難しさを感じたため、過去問題集に載っている単語をチェックし、知らない単語を覚えることを中心に学習を進めました。そしてそれを補う形で、洋書を読むようにしていました。

準1級を受験する際に難しさを感じたのは、知らない単語が多く出題されていることでしたが、過去問題集と単語集の『でる単』を使って語彙力をつけました。オーストラリアでの生活では、それほど語彙力が高くなくても問題なくコミュニケーションできましたから、あえて単語を覚えようとしたことはありませんでした。実は自分自身、オーストラリアで英語4技能がバランスよく学べていると思っていたのです。しかし、英検の過去問題集を解いていくうちに、「英語圏で生活した経験があっても、4技能全てパーフェクトとはいえないのだ」と痛感し、自分の英語力を高めるためにも、英検に挑戦して良かったと思います。

1級の試験内容は、準1級までと比べるとはるかにレベルが高いと感じました。私の場合はやはり語彙力を高めることと、ライティングの対策に重点を置いて勉強しました。特にライティングは英語力だけでなく、社会状勢について理解していなければ書けないようなテーマが出題されるので、日本の新聞を読むように心掛け、社会的な知識を身に付けるようにしました。受験前の2〜3週間は、数日おきに過去問題集やインターネット上にあるライティングの予想問題を1日3〜4問書いては、模範解答と照らし合わせるようにしていました。そのような学習を繰り返しているうちに、文章の組み立てや時間配分にも気を配ることができるようになりました。最初は、「何を書くか」を考えることに時間を費やしていましたが、次第に書くことのアイデアが浮かびやすくなって、問題を見た瞬間「あのアイデアと、このアイデアで文章を組み立てよう」と思いつくようになりましたし、私が一番成長したポイントだと思っています。

英検1級合格で「得」をしていること

英検に挑戦して1級に合格したことで、自分の英語力に自信がつきましたし、たくさんの「得」をしていると感じています。例えば、高校受験の際には、英語学習にあまり時間をかけなくてもよかったので、他の教科の勉強に注力することができました。高校の英語の授業では、英語でプレゼンテーションをする機会もありますが、英検1級の面接を経験しているので、人前で発言することに抵抗がなくなり、プレゼンテーションを楽しんで取り組むことができます。

さらに、日中の交換留学で中国に行ったほか、今後は留学プログラムでシンガポールへ行く予定ですが、そのようなチャンスをつかめたのも、英検1級に合格したことで自分に自信がつき、「海外で学んでみよう」と積極的に思えるようになったからこそだと確信しています。大学受験では英検のCSEスコアを利用しようと考えているので、来年は再び1級を受験する予定です。そして将来は、商社のビジネスパーソンとなり、海外赴任も経験したいと考えています。

プロフィール

広佐古 華帆さん

筑波大学付属高等学校1年生。お父様の海外赴任のため、ニュージーランドで生まれ5歳まで過ごす。さらに小学4〜6年生までオーストラリア・メルボルンに在住し、現地の私立学校に通学。帰国後、中学1年生の第3回検定で2級、中学2年生の第1回検定で準1級、第3回検定で1級に合格する。2017年度の英検成績優秀者表彰式において2級のカナダ大使賞を受賞。

使用した参考書とオススメの理由
  • 『でる単』、『でる順』、その他洋書
    ...語彙力を高めるためにはオススメです。
  • 過去問題集
    ...英検合格には、過去問題集をいかに解くかがカギです。
  • インターネット上の予想問題+模範解答
    ...過去問題集と並行して、ライティングの練習に使用しました。